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程木研究室
中部大学
応用生物学部
環境生物科学科
Hodoki Laboratory
Dept. of Environmental Biology, College of Bioscience and Biotechnology,Chubu University
水環境の保全
川の流れを大きな堤防で遮り堤防の上流に水を貯める施設の事を貯水池やダムと呼んでいます。日本の河川には3000以上のダムが建設されており、これらの施設のおかげで安定して水道水や農業用水が利用でき、洪水のリスクを低下させることが出来ています。一方で、ダムは河川の「水」の流れを遮断するだけでなく、上流からの土砂の供給や生物の行き来を阻害します。土砂の供給が止まれば、河床の環境が変化し、河川に生息する生物相も変わってしまいます。また、生活史を通して、河川の上下流や河川と海を行き来する生物が多くいますが、その移動が阻害されれば次世代の個体数の減少を引き起こすこともあります。さらに、ダムの上流域に出現した広大な止水域(水の流れがほとんどない水域,湖みたいな水域)では、植物プランクトンが増殖し、折角貯めた水の有機汚濁を進行させ、上水利用だけでなく下流域の河川の環境にも影響を及ぼします。
大量の水を使う私たちの現在の生活や経済活動、そして防災を考えれば、ダムや築堤などの河川整備はある程度は必要なことだと思います。しかし、こういった開発行為を無制限に行っていけば、本来の河川の環境や生物多様性はどんどん失われていきます。これまでに3000以上のダムが作られていますので、すでに河川環境や水生生物に何らかの影響を与えているのは明らかでしょう。既存のダムの環境影響を調べ、河川環境や水生生物の保全を行う上で必要となる河川構築物のあり方や私たちの水利用を考えて行く必要があると考えています。
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